温度別倉庫の違いとは?特徴を交えて解説
ワザモノ編集部
大切な商品を保管するには、その商品に適した温度で保管することが重要です。特に日本では、四季の影響による湿度についても考慮する必要があります。
今回は温度別倉庫の種類を特徴や違いを交えながら解説していきます。
温度別倉庫の種類と違いについて
仕入れた商品を保管する際に倉庫が必要なります。自社で倉庫を所有していない場合、「営業倉庫」を借りる必要があります。「営業倉庫」の選定条件は、コストはもちろんのこと、商品に適した温度の倉庫であるかを確認することが重要です。
倉庫の温度は、大きく分けて「常温倉庫」「定温(低温倉庫)」「冷蔵倉庫」「冷凍倉庫」「除湿倉庫」の5つの種類に区分できます。
それぞれの倉庫の違いや特徴、温度、さらには保管するのに適した商品を下記で解説していきます。
常温倉庫
常温倉庫とは、温度調節を必要としない倉庫です。最も一般的な倉庫で、外気温と変わらないため、夏場は暑く冬場は寒いなど、四季の影響を受けやすい特徴があります。
そのため、倉庫がある地域や、海のそばなのか山が近いのかなど、立地面に大きく影響を受けます。たとえば、海の近くにある倉庫では、湿気が高く潮風が吹くため、商品が湿気に強く錆びにくいか考慮しなければなりません。
常温倉庫はポビュラーな倉庫であるため、様々なサイズの倉庫があり、幅広い商品の種類が保管できます。加えて、温度調整する設備が不要なことから、他の倉庫と比較すると安価に借りることができるメリットがあります。
<保管するのに適した商品>
常温倉庫は、温度・湿度の影響を受けない商品の保管に適しています。
たとえば、紙・瓶・陶器など、温度の変化に強い素材の製品などが挙げられます。逆に、食品や薬品など温度の影響を受ける商品の保管には適していません。
定温(低温)倉庫
定温(低温)倉庫は摂氏10度以上で、一定の温度を保つことができる倉庫を指します。
冷蔵・冷凍の範囲以外の温度をキープしており、夏季でも冬季でも、倉庫内の温度や湿度を一定に保つことができるので温度の影響を受けやすい商品の管理が目的の倉庫となります。
一般的な定温倉庫は、室内温度を摂氏10~20度の範囲内で調整が可能です。
<保管するのに適した商品>
温度の変動に敏感な薬品や化粧品などの保管に適しています。
温度によって味や風味が変わってしまう食品関係は、それぞれの適温が違うため保管する場合には注意が必要です。
冷蔵倉庫
分類上では、摂氏10度以下の倉庫はすべて冷蔵倉庫と呼ばれており、冷凍倉庫と区別するために、冷蔵倉庫の呼称が用いられています。冷蔵倉庫のなかでも、室内の温度が-20度以下の倉庫を冷凍倉庫と呼びます。
冷蔵倉庫は、温度別に7つの階級に分けられており、10度以下から-20度未満はC級(チルド)、−20度以下はF級(フローズン)に分類されます。
- C3級:+10度以下~-2度未満
- C2級:-2度以下~-10度未満
- C1級:-10度以下~-20度未満
- F1級:-20度以下~-30度未満
- F2級:-30度以下~-40度未満
- F3級:-40度以下~-50度未満
- F4級:-50度以下
<保管するのに適した商品>
冷蔵倉庫は、果物や野菜、乳製品や練り物など、食品の保管がメインとなります。食品それぞれに適した温度で保管することが大切です。
冷凍倉庫
冷蔵倉庫のなかでも、室内温度が低く保たれている倉庫を冷凍倉庫と呼びます。
前述したF級(フローズン)に分類される温度が保たれた倉庫は、冷凍保存が主な目的となります。その分類はF1級(−20度以下)からF4級(−50度以下)まであります。
<保管するのに適した商品>
F1~F2級までは冷凍食品やアイスクリームなどの保管。さらに低温のF3~F4級の極低温倉庫では、冷凍マグロなど魚介類の保管に適しています。
除湿倉庫
除湿倉庫は、これまで紹介した温度で区分した倉庫にあてはまりません。カビの発生や酸化、腐食といった原因になる湿度を調整できる倉庫で、温度の影響はさほど受けないものの、湿度に弱い商品を保管する目的があります。
梅雨など高湿度になりやすい時期でも商品を保護するために、湿度調整が可能な設備を備えた除湿倉庫が存在します。
温度区分はありませんが、年間を通じて温度は15度から25度にキープされている倉庫が多いようです。
<保管するのに適した商品>
湿度が高いと食品へカビや菌の発生を誘発します。また、結露の発生により金属・電気製品への影響も考えられます。紙材や木材も高湿度によって品質の低下を引き起こしかねません。
そのため、除湿倉庫で保管するのに適した商品としては、食品、金属、電気製品、紙材、木材とさまざまです。
商品は適切な倉庫で保管することが重要
今回、温度別倉庫の違いや特徴について説明しました。倉庫の種類が「意外と多い」と感じた方もいるのではないでしょうか。四季の影響や立地による寒暖差の影響を受ける、日本ならではともいえます。
倉庫を選ぶ際は、商品の特徴に合った場所を選ぶことが重要です。
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