失敗しない物流センター移転マニュアル

ワザモノ編集部

物流センター移転には膨大な時間とコストがかかります。だからこそ、移転プロジェクトを失敗させるわけにはいきません。どのタイミングで何をするのかしっかり把握して、スムーズな移転ができるようにしましょう。

 

物流センターの移転で起こりうるトラブル

 

物流センター移転におけるトラブルは、移転後の稼働のタイミングで起こることが多いようです。

  • 保管場所や作業スペースが十分に確保できていない
  • ピッキングなどのオペレーションシステムが整わず出荷が遅れる
  • どこに何を置いたのかがわからなくなる
  • 作業員のトレーニング不足で作業効率が悪化する
  • システムトラブルが生じて業務が停止する

 

入出荷ができずに多額の損害を生み出すうえ、自社の信用問題にもかかわってきます。

 

物流センター移転には入念な計画と準備を!

 

物流センターの移転のプロジェクト開始から新拠点での本格稼働までの期間を大きく5段階に分けてみていきましょう。

 

1.基本計画の検討 1年半~1年前

物流センターの移転目的を明確にすることが非常に大切です。その上で、優先順位を決定します。現状の入出荷量の把握だけでなく、将来的な方針も踏まえたプランが必要です。

 

・移転場所

現在の入出荷量、将来的なプランに基づき新拠点の条件を設定しましょう。

 

・移転時期

移転直後は混乱が起こりやすいため、繁忙期を避け1年から1年半前くらいに基本計画の検討を始めるのが理想的です。

 

・ブラックボックスの解消

物流業務を外部委託している場合は、不明瞭なプロセス(ブラックボックス)が発生しやすいです。双方で協力しながらブラックボックスの解消にも努める必要があります。

 

2.運用計画の策定 9ヶ月前頃

・保管スペースや作業スペースのレイアウト設計

物量を数値化してシミュレーションしながらレイアウト設計を行います。緻密なレイアウト設計を行うことで、出荷残などのトラブルを防ぐことができます。

 

・人員投入計画

人員は各工程における生産性と共に検討します。配置人員が不足してしまうと、出荷スケジュールも崩れてしまうため、こちらも入念なシミュレーションが必要です。

 

3.システムの設計・開発 6ヶ月前頃

WMS(倉庫管理システム)の設計・開発、ベンダー選定・導入準備などを行います。

 

WMS(倉庫管理システム)は倉庫内における入出荷や保管などを正確に、作業スピードのアップを実現するシステムです。

 

なお、物流センター移転に伴うトラブルは、システムトラブルが約8割を占める言われています。システムは時間をかけてテストを行い、新拠点での稼働にしっかりと準備を整えるようにしましょう。

 

4.作業員募集・トレーニング 3ヶ月前頃

人材不足問題は物流業界にも大きな影響を与えているため、早めの人材確保をしてトレーニングのための時間も用意しておく必要があります。マテハン機器やロボットを導入する場合は、作業員のトレーニング期間に合わせてテストしておきましょう。

 

作業員のトレーニング時には、商品の保管場所の共有も必要です。情報が共有されていなければ、商品がどこにあるかわからないなど、生産性にも響いてくる重要なポイントとなります。

 

5.平衡稼働

いよいよ新拠点での稼働となりますが、旧拠点との平衡稼働により、業務移管を段階的に進めていきます。新拠点でのシステム運用に問題がないかを確かめながら業務を進めます。平衡稼働によるコストはかかりますが、仮に新拠点でのトラブルが発生した場合でも、旧拠点がバックアップする体制を取っておくことが大切です。新拠点での本格稼働の際の混乱を最小限に抑えて、安定した業務を行えるようにするために重要な期間だと言えます。

 

まとめ

 

物流センターの移転は、時間をかけて入念に準備を行うことが重要なポイントです。基本計画の検討から移転完了まで、1年から1年半ほどの期間を必要とします。この期間に段階ごとの課題をひとつひとつクリアしていく事が、物流センターの移転をスムーズに行うための秘訣になると言えるでしょう。

 

もちろん物流業界の変化にも臨機応変に対応していく事が必要とされます。たとえばEコマース市場の拡大や人材不足への対応は物流業界の大きな課題です。当面の必要と将来を見据えることが、失敗しない物流センターの移転に欠かすことのできない要素になります。

 

ニューウェイではこうした物流センター移転に関するアドバイス、さらには物流システムの見直し、BtoBやBtoCそれぞれに特化したご提案などお客様のニーズに合った最適な物流センターを作り上げるためのサポートをしております。

 

お客様の課題点を明確にし、レイアウト設計から人員計画、業務フローのマニュアル化、システムの開発など様々な問題に対応いたします。

 

わたしたちと共によりスムーズな物流センター移転を目指しましょう。まずはお気軽にご相談ください。

 

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